ケツトジャーナル

玄米精米白度計C-600《開発秘話》その4

    • 開発秘話

その3のつづき

 

長期にわたった開発期間

編:本器の発売開始は2011年ですが、開発開始はいつからだったのですか?
市:資料によると、2002年ですね。
編:開発期間は、9年間ですか。
市:長いようですが、2002年の当初は開発というより従来器「C-300」の部品の生産中止対応から始まっています。やはりC-300はロングライフ製品の宿命として、部品自体の製造終了という問題がついて回っていました。
そして新規開発にゴーサインが出て、それでも開発終了まで諸事情により延期に次ぐ延期でしたが、それを経営陣に粘り強く待っていただいたことが大きいと思っていますよ。
編:それもC-300との整合性を取りながら、新規機能を付加してきたんですよね。機構設計でも難しかったことはあったんじゃないですか?
小:先にも言った「定量シューター」は時間をかけましたが、本体の機構も振り返ってみれば、当初の案からの変更が大きいです。
当初は前面がもっと大胆に開口して清掃などのメンテナンスがしやすい機構を検討していたのですが、測定時には試料表面と光を検知する受光センサまでの距離が予想以上にシビアで、わずかにも変えられなかったので、現在の形状になっています。
櫻:現状でも測定部がスライドして開口するので、メンテナンス性はとても好評ですよ。
小:あとは、形状や本体色ひとつとっても、時間をかけて何種類か実器の試作品を作って大勢で検討したりしたことを思い出します。
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市:何しろ時間をかけた、というかかかったと言うか…。LEDを選別しているという話もしましたが、当初採用予定だった有名メーカーのものが段々と光量が落ちていることを突き止めて、連続点灯実験を2年間重ねたりして、メーカーの比較検討にも時間をかけました。
編:LED試験に2年間(!)ですか。開発が長いのも、腰を据えてやるという経営判断にも後押しされたんですね。
市:開発メンバーもコツコツやっていただいたと思いますよ。今回は同席していませんが、基礎研究室のスタッフにも、検量線の基礎試験を相当やっていただいて、LEDの波長の決定につながりました。
編:開発しながら、波長の決定などは手探りでやっていたんですね。
市:基礎研究のような手探りはありました。器械の精度を維持するための校正用の標準板も変更して、東京都産業技術開発センターに相談しながらアメリカのメーカーの標準板を採用したことも技術的な飛躍になりました。
先に話した青色LEDも高価な拡散板もC-300の時代にはなかったものです。2000年代に入ったからこそできた改良なのです。
櫻:現時点での白度計の完成度が高くて、製品として優等生だと思います。
CEマーキングも付いていますので、国内だけでなく、ヨーロッパで米の長粒種の品質管理でもお使いいただいています。

 

 

仕事をやる上で大切にしていること

編:では最後に、開発責任者を歴任されてきた市川さんにとって、仕事をする上で大切にしていることは何でしょうか?
開発担当責任者:市川氏「できるまでやり続ける!」
市:できるまでやり続ける!ことです。本機に関しては特別に長期間にわたってじっくり開発できましたが、他の開発でも実現に向けて何が何でもやり続けることが大切じゃないですかね。
編:今回の開発エピソードからしても、その姿勢には学ぶところがあります。
ありがとうございました。

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