ケツトジャーナル

炊飯米水分測定タイムアタック!もっと素早く測ってみよう【炊飯米の水分測定<近赤外水分計編>】

    • 米ラボ

2025.6.16

前2回の記事で、公定法では3時間くらいの測定を、赤外線水分計では8分まで短縮できることがわかりました。

 

 

※前回記事>>ご飯の水分測定は難しい?【炊飯米の水分測定<公定法編>】

※前々回記事>>68分→9分に!準備で差が出る測定時間【炊飯米の水分測定<赤外線水分計編>】

 

でも、私たちの現場では炊き立てをすぐに測りたいんです!

8分のタイムロスをも効率化したいんです!

・・という声がどこからともなく聞こえてきました。

 

そこで今回、炊飯米水分測定RTA(リアルタイムアタック)に挑戦してくれるのは近赤外水分計KB-230VHです。

 

近赤外水分計 KB-230VH

 

近赤外水分計は既存測定の時間短縮を得意とする水分計です。KB-230の高水分向け特注型にあたります。

 

・・概念図をみてもよくわからないので、まずは挑戦結果を見てみましょう。

 

シャーレにお米をつめてタイマースタートです!

 

 

 

測定台に置いてスイッチオン!!

 

 

 

7秒経過・・・水分出ました!!ここでタイマーストップ、RTA終了です。

1分どころか、ボルトをも追い越して、ほかの水分計を圧倒する結果を出しましたね。

 

ここで、一旦解説です。どうやってこの結果を出せたのか確認してみましょう。

 

近赤外水分計は、水分に吸収される光を使って測っています。

吸収度合と実測値を照らし合わせて、水分値を算出します

 

 

・水分40%のとき→30吸収される

・水分80%のとき→70吸収される

じゃあ吸収50のとき→水分60%くらいかな?という感じで測定しています。

 

そのため事前にデータを覚えこませる作業(検量線作成)が必要になります。

作業手順は下記のとおりです。

 

 

①サンプル準備

炊くときの水の量を変えて水分段階の異なるサンプルを作成します。

 

 

②近赤外水分計で測定

シャーレにご飯を詰め込みます。

しゃもじでぎゅうぎゅうと強く押し込みます

近赤外水分計KB-230VHにシャーレをセットして、各サンプルを測定します。

 

 

③基準水分を測定

シャーレに入っていたお米を使って、基準水分を公定法で求めます。

 

④検量線計算

②と③で測ったデータを入力して、計算ボタンをポチ。

これで検量線ができあがりました。

 

 

直線上にきれいにデータが乗っかっていていいかんじですね。

※相関係数が1に近いほど、標準誤差が小さいほど良いです。

 

 

以上、解説で大きく迂回しましたが、事前のデータ取り(検量線)があることで、秒単位の素早い測定が実現できました。

 

 

結果:急がば近赤外水分計

 

 

ちなみに炊き立てと冷ましたご飯、それぞれで検量線作成をしてデータ取りを行いましたが、どちらも安定して測定できました。

 

今回は炊飯米でしたが、うまくデータさえ取れればサンプル種類を問わず時短できます。

目的やサンプル相性を加味して、各々に適した水分測定方法を選んでいただければ幸いです。

 

全3回の炊飯米測定記事をお読みいただきありがとうございました。次は○○の事例を知りたいという方、ご連絡をお待ちしております。

ライター:まかろにペン子

関連記事