ケツトジャーナル

世界初!お米のオンライン画像取引!

    • 米ラボ

本年の6月より、世界初となる「お米のオンライン画像取引」が行われています。

「お米のオンライン画像取引」といっても、ネットスーパーで商品画像を見てお米を買うといった、私たち一般消費者の話ではありません。
消費者へ届く前の卸売りの現場で、現物を目視することなく取引するという話です。一聴すると当たり前のように感じますが、現場で現物を見て売買することが常識だったお米の世界では、大変革新的な出来事なのです。

 

今回、全国米穀工業協同組合(全米工)での取引の様子をお伝えします。

全米工はお米の中でも「特定米穀」といわれるものを生産卸売買している企業の組合です。

オンライン取引は、この「特定米穀」の卸売買で始まっています。

 

特定米穀とは

この特定米穀は、私たちがお店から購入する主食用のごはんとして食べる以外の用途、例えば外食用、せんべいなどの米菓、焼酎の原料などに加工するお米のことを指します。

お米は収穫されると、まずふるいにかけられます。ある一定のふるい目以上のサイズのお米だけがお店に並びます。サイズが小さかったり、砕けていたりして、ふるいから落ちたものを無選別の特定米穀といい、さらに選別により「中米」「特定米穀」に分けられます。

 

 

オンライン取引への経緯

従来の席上取引会は、持ち込まれた米穀をカルトンと呼ばれるお皿に広げて机の上にずらりと並べ、参加者が粒の品質を目視で判断し、米穀1升当たりの重量を匁に換算した数値、すなわち密度を参考にして目利きによる価格決定が行われていました。

近年では、穀粒判別器の性能が向上し、器械による測定値も添付することになりました。玄米のような外観品質規格などは存在しないため、米穀の密度データと参加者の目利きに加え、外観の客観的なデータを参考にするためです。

穀粒判別器は、国内メーカー数社から市販されており、それらを組合内で比較検討したそうです。特定米穀は形や色もさまざまですが、それらを包括的に測定ができた当社の穀粒判定器RN-700だったとのことです。そういうわけで現時点では、穀粒判定器RN-700のデータを添付しています。

 

折しも本年は、COVID-19の感染拡大防止のため、多人数が集まる従来型の席上取引会の開催を一旦停止していました。

そこで、せっかく器械を導入して参考データが増えたのであれば、現物写真にデータを添付して、ウェブ会議のインフラを使って取引会ができないかと全米工が第一歩を踏み出したのです。

 

取引会の様子

持ち込まれた米穀を、穀粒判定器RN-700で測定します。

従来通りカルトンに載せます。

米穀の載ったカルトンにデータを添付します。

RN-700ソフトウェアから出力されるグラフデータも添付し、ウェブ会議アプリケーションで共有します。

席上取引会と同時にウェブ取引会が行われます。

この日も、目の前で買い注文が入り、実際に取引が成立しました。

器械を導入したと言っても、価格を決めるのはあくまで参加者同士です。交渉により柔軟に価格が決定され、取引が進むさまは面白くもある一方、実際にお金が動いていく迫力のある現場でした。

技術的には、会場に現物を持ち込まなくても、スマホでの画像データと穀粒判定器の測定データさえあれば、どこからでも入札、応札ができるので、参加者の裾野が広がっていくことは想像に難くありません。今後の経緯も楽しみに見守っていきたいと思います。

ライター:K.OKAWA

参考資料:全国米穀工業協同組合ウェブサイト「特定米穀って?」https://zenbeikou.jp/news/n20190724/index.html

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