ケツトジャーナル

お月見もお米と縁のある行事です

    • 米ラボ

暑い夏が過ぎ、朝と夜の暑さが和らいできました。秋の気配というものでしょうか。

そろそろ、「中秋の名月」いわゆる「十五夜」がやってきます。今年は、今週の木曜日10月1日がその日に当たります。

十五夜は、太陽暦と太陰暦のずれにより毎年変わる上に、最大半月程度ずれることがあります。十五夜お月様は満月のイメージもありますが、満月の日とも最大2日ずれるそうで、今年の満月は十五夜の翌日10/2になります。

 

ともあれこの時期になると、十五夜を意識していなくてもハンバーガー店に「月見バーガー」が登場して、あぁお月見の時期かと思う方も少なくないのかもしれません。

街中にいても意外と身近に感じられる「お月見」ですが、ハンバーガーよりもお米と関係がある行事なのです。

 

お供えもの

家庭でお月見をやる方は、大体、下のような写真のようにお供えをして月を眺めているのではないでしょうか。

お団子を置く台があるご家庭は少ないかもしれませんが、この台の胴体4面のうち3面に穴が空いているため「三方」と呼ばれています。

そして、三方の穴が空いていない方をお月様に向けます。

三方の上には月見団子、向かって右側にすすきをお供えします。

これは、日本では人工物よりも自然物が上位であり、右側より左側が上位という概念があるため、お月様から見て左(つまり私たちから見て右)に自然物であるすすきを置くのだそうです。

また、このすすきは神様の依り代で、稲穂を刈る前なので稲穂に見立てたとも言われています。やはり、豊作祈願という側面があるのでしょう。

 

月見団子

そして月見団子に注目します。

レシピを検索すると、上新粉や白玉粉で作るとあります。上新粉と白玉粉はこちらの記事によると、うるち米(普通の米)の粉です。

十五夜にちなんで15個を丸めて茹でて、1段目に3列x3列で9個、2段目に2×2の4個、最上段に2個を置くと、いわゆる月見団子の完成です。

しかし、こちらは関東のスタイルのようで、関西では里芋を模した月見団子をお供えするところもあるそうです。

関西風の月見団子は里芋型

十五夜は、別名「芋名月」と言います。

東アジアでは、旧暦8月15日に里芋の収穫を祝う風習があるところが多く、日本も例外ではなく、十五夜に里芋を食べる習慣がありました。

関西の月見団子はその名残ですね。

この月見団子の違いは、すでに江戸時代中期にはありました。

当時のお団子は、はたして上新粉や白玉粉だったのかどうか、定かではありません。

ただし、1643年の料理本「料理物語」にはすずり団子なるレシピが掲載されており、これは、もち米6割うるち米4割で作ると書いてあります。今でいう団子粉というミックス粉です。

現在の月見団子よりも、モチ感が強い団子も存在したことは間違いないですね。

 

十三夜

収穫に感謝して五穀豊穣を祈念するお月見は、十五夜では終わらないのです。

その後の名月を楽しむ十三夜という行事があり、こちらは「豆名月」「栗名月」とも呼ばれ、やはり枝豆や栗をお供えするそうです。一番美味しい季節ですからね。

現在でも東北のある地方では、子供達が近所の家庭に豆煮やお菓子をもらいながら歩くハロウィンのような風習が残っているとか。

そんな十三夜、今年は10月29日です。まさにハロウィン!

十五夜に月見をして、十三夜にしないと片見月といって縁起が悪いと言われていたそうです。これはどうやら、江戸時代の遊里のマーケティングだったという説もあります。

また、十五夜に天気が悪くて月がよく見えないときは、月見を延期して、毎晩のように宴を催すといった風習もあったとのこと。

 

日本人にとって月見とは、お米で作った団子を食べながら、お米や農作物の収穫への感謝するという行事です。

ステイホームしている今年こそ、お団子をお供えしてお月見を楽しみたいですね。

ライター:凱風快晴

参考資料:ウィキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/月見  ・「米の文化史」篠田 統 著 1977 増訂版